- 1.歯周病の検査
- 目盛りのついた器具で、歯と歯ぐきの間の深さを測ります。深いほど良くないことが多いです。
- 2.歯石を取るクリーニング
- 歯と歯ぐきの隙間についている歯石汚れを専用の器具でキレイに除去します。
- 3.歯周外科治療
- 歯周病が深く進行してしまった場合に行う治療です。麻酔を使った手術で歯石を取ることや、骨を再生する再生療法も行っています。
歯周病治療
歯周病とは歯と歯肉の溝に細菌が感染して起きる病気です。日本人の約8割がなっていると言われています。初期段階では無症状に経過することも多く、歯肉が赤くなり炎症を起こしている、歯肉炎という状態になります。
そのまま病気が進行すると、細菌が引き起こす炎症によって歯の周りの骨が溶けてしまいます。これを歯周炎と呼びます。
歯周病の原因は歯垢(プラーク)の中の「細菌」です。歯を磨かないで時間がたつとネバネバした汚れが歯の表面や歯と歯肉の間にたまってきます。
ネバネバした物質を出しながら細菌はバイオフィルムという集団を作ります。この集団は周りから免疫の影響を受けづらくとても厄介です。
このようにして歯の周りにバイオフィルムが形成されどんどんと細菌が増えてくると、人体の組織に悪さをする嫌気性菌が増えます。嫌気性菌は酸素を嫌う性質があります。
バイオフィルムが大きくなり、歯肉の溝の深い部分まで達すると嫌気性菌にとって過ごしやすい環境ができてしまいます。嫌気性菌は血液中のタンパク質や鉄を栄養源としています。
そのため歯肉の組織を破壊して出血させようとします。このようにして歯周病が始まります。
攻撃された体は細菌と戦うために免疫細胞を出します。歯周病の細菌と免疫細胞が戦った結果「炎症」として現れます。歯ぐきが赤くなるのはこれが理由です。また歯周病になっていると疲れたり、体の免疫力が低下したときに歯肉が腫れることがあります。
これは細菌と免疫のバランスが崩れることが原因と考えられています。細菌が歯肉の奥に入ってくると、免疫細胞はより強力な防御をするために「サイトカイン」という物質を出します。
このサイトカインは、骨を溶かす細胞を活性化する役割もあります。そのため歯周病が進むと、歯肉の周りの骨がどんどん溶けていきます。
以下の症状にあてはまる方は、歯周病の可能性があります。お早めにご相談ください。
軽度
歯ぐきに炎症が起き、歯との間「歯周ポケット」が深くなります。痛みはまだありませんが、ブラッシング時に出血することがあります。
中等度
炎症が深まり、歯周病菌が顎の骨にまで達しています。歯周ポケットが深くなり、歯はグラグラしはじめます。
重度
顎の骨が半分以上溶けています。
歯周ポケットがかなり深くなり、歯はグラグラに。歯肉からは膿が出て口臭も増します。ここまでくると、最終的に歯は抜け落ちてしまいます。
などのリスクを増加させます。
また日本人の死因1位であるがんとも関係があると報告されています。
歯周病は全身の健康とも大きく関係しています。歯周病は、口の中に細菌感染が進行し、体の免疫系がそれに反応し起こる慢性疾患です。
炎症が起きている場所は歯と歯肉の境目です。この場所では傷口と同じように毛細血管を通じて血液が浸透しやすい状態になっています。このように血液を介して、歯周病原菌の出す毒素が全身を巡ります。